はじめに
今後の成長分野として注目されている電気自動車、スマートグリッド、省エネ、パーソナルヘルスケア製品などは、HWとSW(アナログとデジタル)の融合物であり、協調設計なくしては成立しません。
しかしながら、昨今のデジタル・IT偏重傾向により、デジタル・ソフトウェア系エンジニアが注目される一方で、電気・電子系ハード技術者の減少及び技術力の低下が顕著になってきています。
また、長年の分業化およびアウトソーシングの活用は、技術者が習得する知識やスキルを仕事に活かせない職場環境を作り、結果として「電子立国ニッポン」としての地位が揺らぎ、国際的な優位性が希薄になって、この成長分野においても、他国に後塵を拝しています。
この分野で電気・電子系スキルの可視化する試験、E検定の研修講座、eラーニング講座は、勤続25年以上の設計・開発経験者が執筆した教材から構成され、設計の実務経験において培われる、優先度に応じた設計手法の取捨選択ノウハウなどを盛り込み、現場技術者としてのレベルアップを目的としています。
E検定~電気・電子系技術検定試験~とは
日本のエレクトロニクス産業を代表する企業・大学によって設立された電気・電子系技術者育成協議会が主催しているE検定は、エレクトロニクスに関わる9分野の知識と実務適応力を測り、社内外の技術者と相対評価することができます。
研修コンテンツの紹介
研修コンテンツの内容は既存のE検定教育教材と連動をしています。座学で補えるカリキュラムを提供しているため、各単元時間数がバラバラになります。今後例えば1日コースとして提供するにあたり、いくつかのコンテンツを組合せたり、新規コンテンツの追加等を行い、複数を組み合わせるカスタマイズ性の豊富な研修講座として提供を致します。
電気・電子分野に関する設計現場の知識を基礎から応用まで網羅
特長 |
|
---|---|
対象者 |
|
効果 |
|
レベルと講座時間
レベル1:基本的な用語と概念を理解します。
レベル2:概念の応用を学習します。
レベル3:現場での問題解決に必要な知識を身につけます。
各講座の時間数は参加者の経験やレベルによりカスタマイズが可能です。
分類 | 講座名 | 時間(H) | レベル1 | L2, L3の一部が含まれます。 |
電気電子 | 電子回路 | 6 | ◯ | ◯ |
電気電子 | コンピュータとデジタル | 1.5 | ◯ | ◯ |
電気電子 | C言語 | 6 | ◯ | ◯ |
電気電子 | 電気回路 | 3 | ◯ | |
電気電子 | 半導体 | 1.5 | ◯ | |
電気電子 | 電磁気 | 1.5 | ◯ | |
専門 | 実装 | 3 | ◯ | |
専門 | 信頼性設計 | 1.5 | ◯ | |
専門 | 計測 | 3 | ◯ | |
機械 | 材料・加工 | 3 | ◯ | ◯ |
機械 | 機構設計 | 3 | ◯ | ◯ |
各講座の内容
電子回路
6時間講習
目的 | スキル項目 | ||
能動素子 | ダイオード | ダイオードの整流作用を理解する。 | 理想ダイオード、整流作用、PNダイオード、PINダイオード、ツェナーダイオード、ショットキーバリアダイオード、可変容量ダイオード、フォトダイオード、PN接合、順方向電流、順方向電圧、逆方向電流 |
理想ダイオードでの電圧計算方法を理解する。 | |||
ダイオードの種類を理解する。 | |||
ダイオードの記号、基本的な用語を理解する。 | |||
バイポーラトランジスタ | PNP、NPNトランジスタの電流増幅作用を理解する。 | 理想トランジスタ、PNP、NPN、直流電流増幅率、ベース-エミッタ間電圧VBE | |
理想トランジスタでの電圧、電流計算方法を理解する。 | |||
トランジスタの記号、基本的な用語を理解する。 | |||
FET | Nch、Pchトランジスタの相互コンダクタンスを理解する。 | Nch、Pch、MOS、接合型、デプレッション、エンハンスメント、相互コンダクタンス、ドレイン電流、ゲート漏れ電流、ピンチオフ電圧 | |
理想トランジスタでの電圧電流計算方法を理解する。 | |||
トランジスタの記号、基本的な用語を理解する。 | |||
電源回路 | 電圧源 | 理想電圧源を理解する。 | 理想電源回路、ツェナーダイオード、電流制限抵抗 |
理想ダイオード、ツェナーによる電圧源を理解する。 | |||
電流源 | 理想電流源を理解する。 | 理想電流源、カレントミラー、NPN | |
理想トランジスタによるカレントミラーを理解する。 | |||
増幅回路 | ベース接地、コレクタ接地、エミッタ接地 | ベース接地、コレクタ接地、エミッタ接地の回路方式を理解する。 | 接地方式の種類(コレクタ接地、エミッタ接地、ベース接地)、接地方式による特性差(入力インピーダンス、出力インピーダンス、電流利得、電圧利得) |
接地方式による特徴を理解する。 | |||
差動増幅 | 差動増幅器の原理を理解する。 | 差動増幅の原理、同相入力、差動入力 | |
同相入力、差動入力を理解する。 | |||
OPアンプ | OPアンプの基礎 | OPアンプの記号、基本的用語を理解する。 | 理想OPアンプ、OPアンプの基本的用語(入力インピーダンス、電圧利得、出力インピーダンス) |
理想OPアンプの動作を理解する。 | |||
OPアンプの応用 | 理想OPアンプによる反転増幅器、非反転増幅器の動作を理解する。 | 理想OPアンプ、反転増幅、非反転増幅、仮想接地 | |
利得の計算方法を理解する。 | |||
一般理論 | 負帰還回路と安定性 | 負帰還増幅、帰還率を理解する。 | 負帰還増幅の原理、帰還率β |
増幅度と帰還率から利得の計算方法を理解する。 | |||
雑音(ノイズ) | 雑音の種類と性質を理解する。 | 雑音指数NF、半導体のノイズ(ショットノイズ、1/fノイズ)、帯域、熱雑音、SN、コモンモードノイズ、ノーマルモードノイズ | |
雑音と帯域の関係を理解する。 | |||
雑音と信号の関係を理解する。 | |||
雑音の発生、雑音の侵入経路を理解する | 電磁誘導、容量結合、輻射、インピーダンス、信号波形の歪み | ||
雑音の発生、侵入を抑制する手段を理解する | 静電シールド、磁気シールド、電磁シールド、インピーダンス整合、帯域フィルタ、デカップリング、回路絶縁 | ||
フィルタ | パッシブフィルタ | フィルタの概念を理解する。フィルタの種類を理解する。カットオフ周波数の計算方法を理解する。 | カットオフ周波数、ローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチ、受動素子、LCR |
アクティブフィルタ | アクティブフィルタの概念を理解する。 | カットオフ周波数、ローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチ、能動素子、OPアンプ | |
スイッチトキャパシタフィルタ | スイッチトキャパシタフィルタの概念を理解する。 | スイッチトキャパシタ | |
発振器 | LC、CR発振回路 | 発振の概念を理解する。発振回路の種類を理解する。 | 発振、共振、位相、パルス、正弦波、方形波、のこぎり波、三角波、デューティー比、正帰還、LC発振、CR発振 |
マルチバイブレータ発振回路 | マルチバイブレータ発振回路を理解する。 | 発振、位相、正弦波、デューティー比、正帰還、CR発振 | |
ADC、DAC | ADコンバータ | ADCの概念を理解する。 | AD変換、標本化、量子化、符号化、分解能、サンプルホールド回路、FSR、1LSB |
変換時間、変換誤差 | |||
DAコンバータ | DACの概念を理解する。 | DA変換、分解能、FSR、1LSB | |
変換時間、変換誤差 |
回路設計技術者としてのコアスキル領域です。
コンピュータとデジタル
1.5時間講習
目的 | スキル項目 | ||
デジタル | 数の表現 | r進数の相互変換を理解する。 | 2進数とは、10進数とは、16進数とは、n進数の対応表、2進数から10進数への変換、10進数から2進数への変換、2進数から16進数への変換、16進数から2進数への変換、10進数から16進数への変換 |
組み合わせ回路 | 論理演算子を理解する。 | 基本論理素子、実用的論理素子、ド・モルガンの法則 | |
順序回路 | フリップフロップ、カウンタを理解する。 | フリップフロップ(SR型、D、JK型、T型)、カウンタ(リプル、同期、ジョンソン、グレイコード) | |
デジタル論理 | 信号レベルとデジタル論理との関係を理解する | シュミットトリガ | |
クロックと電流 | CMOS論理素子での消費電力 | ||
デジタル言語 | ハードウェア言語 | ハードウェア言語による開発フローと設計手順を理解する。 | 開発フロー、論理回路設計手順 |
コンピュータ | アーキテクチャ | コンピュータの概要を理解する。 | コンピュータ概要、コンピュータの原理、アーキテクチャ、コンピュータのハードウェア、コンピュータのソフトウェア |
汎用コンピュータとマイコンの特徴を理解する | マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ | ||
CPU | CPUの概要を理解する。 | 概要、構成、命令セット | |
記憶装置 | 記憶装置の概要を理解する。 | 概要、記憶素子、主記憶素子、外部記憶素子 | |
インタフェース | 入出力装置や通信装置の概要を理解する。 | 概要、入出力装置、通信、通信装置 |
デジタル言語については、ハードウェア言語の項目以外は、別途講座として検討中です。
デジタル言語 | VerilogHDL回路 | VerilogHDL言語の文法を理解する。 | 識別子、数値の表現、データ型と信号定義、演算子、コメント、基本構造 |
VHDL回路 | VHDL言語の文法を理解する。 | 識別子、数値の表現、データ型と信号定義、演算子、コメント、基本構造 | |
シミュレーション | ハードウェア言語によるシミュレーションを理解する。 | テストベンチ構成、テストベンチ作成 | |
VerilogHDLテスト | VerilogHDLテストベンチの基礎を理解する。 | VerilogHDLのテストベンチ(骨格の定義と一般的記述) | |
VHDLテスト | VHDLテストベンチの基礎を理解する。 | VHDLのテストベンチ(骨格の定義と一般的記述) |
C言語
6時間講習
目的 | スキル項目 | ||
C言語 | 概要 | C言語の基礎的特徴を理解する。 | C言語とは、特徴、プログラム作成、書式スタイル |
高級言語と機械語との関係を理解する | ノイマン型、コンパイラ、機械語 | ||
数の表現 | 2進数、10進数、16進数 | ||
データ型 | 定数と変数を理解する。 | 定数の種類、変数の型(基本のデータ型)、変数の型(データ型すべて)、変数の宣言と初期化 | |
メモリ空間と変数の配置の様子を理解する | アドレス、データ型とサイズ | ||
演算子 | 基本的演算子を理解する。 | 算術演算子、型変換、代入演算子、インクリメント/デクリメント演算子、関係演算子、論理演算子 | |
制御 | 制御構造を理解する。 | 概要、分岐(if-else)、分岐(switch-case)、反復(for)、反復(while) | |
関数 | 関数を理解する。 | 制御の流れ、関数の宣言、関数の使用例、関数間の値の受け渡し、標準入出力関数を使うために、printf関数、scanf関数 | |
配列とポインタ | 配列とポインタを理解する。 | 一次元配列、二次元配列、変数とポインタ、配列とポインタ、ポインタ宣言と使い方 | |
構造体 | 構造体を理解する。 | 構造体の宣言、構造体の初期化、構造体の参照、構造体のポインタ | |
共用体 | 共用体を理解する。 | 共用体の宣言と初期化、構造体と共用体 |
現代の回路設計では非常に多くの製品でコンピュータ制御の要素として必要とされています。そのため回路設計技術者にはデジタル回路素子の知識だけでなく、コンピュータそのものの知識、およびコンピュータがどのように動作するのか、の知識と、さらに多くの場合、回路動作をチェックするプログラムを自作できるだけのスキルも必要とされます。
電気回路
3時間講習
目的 | スキル項目 | |
抵抗素子 | 電気回路を構成する素子である抵抗素子について理解する。 | オームの法則、単位、記号、形状対抵抗値、材料対抵抗値、抵抗率、導電率、温度変化、温度係数 |
実際の抵抗素子の種類や用途について理解する。 また理想抵抗との違いについて学ぶ。 | 抵抗の仕様と制限、理想抵抗と現実抵抗、周波数特性 | |
容量素子 | 電気回路を構成する素子である容量素子(コンデンサ)について理解する。 | 電圧対電流、電荷式、単位、記号、極性、コンデンサの構造、形状対容量値、静電エネルギー、直列合成容量、並列合成容量 |
実際の容量素子の種類や用途について理解する。 | 容量素子の仕様と制限、周波数特性、誘電損失 | |
誘導素子 | 電気回路を構成する素子である誘導素子(インダクタ)について理解する。 | 実際の誘導素子の種類や用途について理解する。 |
実際の誘導素子の種類や用途について理解する。 | 実際の各種誘導素子の種類と用途および特徴、周波数特性 | |
線形、非線形素子 | 回路における線形、非線形の相違を理解する。 | 素子の非線形性、ダイオード、オペアンプ、インバータ、整流回路、コンパレータ回路、微少範囲の線形性 |
直、並列回路 | 直流回路の基本や用語、法則を理解する。 | 抵抗の直列および並列合成抵抗、電圧降下と逆起電力、直流電源の理想と実際 |
キルヒホッフの法則 | キルヒホッフの法則について理解する。具体的な回路例で計算を行う。 | 第1法則(電流連続の法則)、第2法則(電圧平衡の法則)、閉路と接続点、計算例 |
直流の電力 | 直流回路の電力について理解する。 電力の求め方や計算方法を学ぶ。 | 直流電力と電力量、ワット時、キロワット時 |
正弦波交流 | 正弦波交流について理解する。 各種用語や計算方法を学ぶ。 | 周波数、周期、交流電源、交流の弧度法、周波数と角速度、角度と交流波形、交流波形の大きさ、実効値の定義、交流の位相差 |
交流波形がフーリエ級数で表現できることを理解する。 | フーリエ級数展開、フーリエ係数 | |
RLC交流回路 | RLC交流回路の動作について理解する。 | 抵抗回路、抵抗回路の消費電力、容量回路、容量リアクタンス、誘導回路、誘導リアクタンスおよび電力 |
実回路はRLC要素の組み合わせになっていることを理解する。 | 配線とRLC要素、インピーダンス | |
接地(グランド) | 電気回路におけるグランドの役割について理解する。 | 基準電位としてのグランド、電流経路としてのグランド、インピーダンス |
電気回路を構成する要素として受動素子と回路の基本的な振る舞い、基本法則を扱うことが求められます。
半導体
1.5時間講習
目的 | スキル項目 | ||
半導体とは | — | 身近な半導体や、その性質について知る。 | 抵抗率、導体、絶縁体、半導体、 |
材料、不純物、金属、絶縁物、 | |||
金属と半導体の抵抗、 | |||
温度と半導体の関係、 | |||
電球とLED、 | |||
半導体の応用(トランジスタ、ダイオード、パワーデバイス、IC(集積回路)ユニポーラ/バイポーラとは) | |||
半導体の材料(ゲルマニウム、シリコン、化合物半導体(GaN等)) | |||
メモリ | 揮発性/不揮発性メモリ素子 | メモリの種類と原理を知る。 | 種類と原理(DRAM、SRAM、FeRAM、MRAM、Flash) |
集積回路(IC) | 受動素子と能動素子 | 集積回路(IC)上の受動素子/能動素子と、ディスクリート素子の違いを知る。 | ディスクリートと集積回路、寄生容量、寄生抵抗、寄生インダクタンス、高性能化 |
デバイスプロセス | ウエハの製造 | チョコラルスキ法によるウエハの製造について知る。 | 金属シリコン、多結晶シリコン、 |
単結晶シリコン、 | |||
シリコンインゴット、シリコンウエハ、 | |||
CZ法(チョコラルスキ)、 | |||
鏡面研磨、ポリッシュ/水素アニール/エピタキシャル/SOIウエハ | |||
ICの製造(前工程) | IC製造(前工程)の工程概要を知る。 | 前工程概略 | |
(フォトリソグラフィ工程、 | |||
拡散工程、インプランテーション工程、 | |||
スパッタ工程、CVD工程、 | |||
エッチング工程、洗浄工程、 | |||
CMP工程、プロービング工程)、 | |||
クリーンルーム | |||
ICの製造(後工程) | IC製造(後工程)の工程概略を知る。 | 後工程概略 | |
(ダイシング、ボンディング、パッケージング、ファイナルテスト工程) |
回路技術者の全員にとっての必須スキルではないが、回路で扱う半導体のなりたちを知っておいて損はありません。
ASICやFPGAといったプログラマブルなデバイスを扱う場合には、本分野は重要な知識となります。
電磁気
1.5時間講習
目的 | スキル項目 | |
電荷 | 電荷の振る舞いと単位、法則を理解する。 | 帯電体、電気の種類、電荷、単位[C]、電荷に働く力、クーロンの法則 |
電界 | 電界の振る舞いと単位を理解する。 | 電界、電界の強さ、電気力線、電束、電束密度 |
電位と電流 | 電位の振る舞いと単位を理解する。 | 電位、単位ボルト[V]、電流、単位アンペア[A] |
静電容量 | 静電容量と単位を理解する。 | 静電容量、コンデンサ、単位ファラド[F] |
誘電体 | 誘電体の特性を理解する。 | 導体の分極、絶縁体の分極、誘電体、比誘電率 |
磁界 | 磁界の振る舞いと法則を理解する。 | 磁界、アンペアの右ねじの法則、フレミングの左手の法則 |
電磁誘導 | 電磁誘導の基本的な振る舞いと法則を理解する。 | 誘導電流、電磁誘導、レンツの法則、ファラデーの法則 |
インダクタンス | 自己インダクタンスと単位を理解する。 | 自己インダクタンス、単位[Wb]、単位[H]、自己誘導 |
物質の磁性 | 磁性の特性を理解する。 | 強磁性体、逆磁性体、磁気飽和 |
電磁波 | 電磁波が電界と磁界とから成り立っていることを理解する。 | 電磁波の成り立ちと伝搬、波長、アンテナ |
電気回路や実務で必ず意識しなければならないノイズを扱う(ノイズ対策を行う)うえでの基礎スキルとなる、非常に重要な基礎分野です。
実装
3時間講習
目的 | スキル項目 | ||
電子部品 | 抵抗器 | 抵抗の働き、種類と特徴を知る。 | 抵抗値の大きさ、固定抵抗、可変抵抗、抵抗ネットワーク、可変抵抗の構造と種類、抵抗値の表示、抵抗の扱い方 |
コンデンサ | コンデンサの働き、種類と特徴を知る。 | コンデンサの働き・原理、コンデンサの種類と特徴、 | |
インダクタ | コイルの働き、コア、フィルタを知る。 | 磁束、逆起電力、コアの効果 | |
水晶振動子 | 水晶振動子の働き、原理を知る。 | 水晶振動子の発振原理 | |
熱設計 | 熱設計の目的と必要性 | 熱設計の目的と必要性を知る。 | 発熱密度、効率の良い外部へ放射、熱が引き起こす製品力の低下 |
熱の基礎 | 熱に関する特性値を知る。 | 熱・温度・熱容量、伝熱量のそれぞれの定義と単位 | |
系の状態について知る。 | 定常状態と過渡状態 | ||
本講座の適用範囲(定常状態のみを取り扱う) | |||
熱の伝わり方 | 熱伝導、対流、放射について知る。 | 熱伝導、対流、放射の詳細 | |
熱伝導率、熱伝達率、放射率の説明 | |||
ハンダ付け | ハンダ付けの定義とその接合過程 | ハンダ付けの基礎を理解する。 | ハンダ付けの温度(融点)、代表的な材料 |
ハンダおよびフラックス | ハンダとフラックスの種類と用途を理解する。 | 融点による区分、基本系であるSn-Pb系、フラックスの役割・規格・種類、フラックスの構成成分と使用目的 | |
耐環境 | 機械的振動、雰囲気を考慮した実装の重要性を理解する。 | 振動と実装、コネクタの特性、化学雰囲気と実装、温度雰囲気と実装 |
回路の動作安定性は設計にも実装にもともに大きく依存します。そのため重要なスキル分野です。
信頼性設計
1.5時間講習
目的 | スキル項目 | ||
基礎 | 信頼性の公式 | 信頼性評価で用いられる諸値を理解する。 | 信頼度、保全性、故障率、アベイラビリティ |
信頼性データの解析 | データ解析で用いられる簡単な諸値を理解する。 | 度数分布、平均値、メジアン、モード | |
故障の考え方 | 故障の基本的な発生の仕方を理解する。 | バスタブカーブ、初期故障期、偶発故障期、磨耗故障期 | |
向上手法 | ディレーティング | 負荷軽減を理解する。 | 負荷軽減 |
冗長 | 冗長の種類と数式を理解する。 | 直列モデル、並列モデル、待機モデル、2 out of 3モデル | |
故障解析 | FMEAとFTA | FMEAとFTAの解析手法を理解する。 | FMEA、FTA |
品質を考える、扱ううえでの重要な基礎知識です。
計測
3時間講習
目的 | スキル項目 | ||
計測基礎 | 測定法と測定精度 | 電子回路の世界における計測の基礎および計測方法について学ぶ。また計測における測定精度を理解し、用語や使用法を理解する。 | 計測とは、直接測定と間接測定、零位法と偏位法、アナログ式とデジタル式、測定精度と誤差、測定誤差の原因 |
精度の保証 | 校正の重要性を理解する。 | 校正、トレーサビリティ | |
トレーサビリティの概念を理解する | |||
有効数字と単位 | 有効数字の考え方や測定における有効数字の影響について学ぶ。また電気、電子の世界における単位の種類や換算方法について理解する。 | 有効数字、有効数字と丸め、測定器の許容差、単位と標準、SI基本単位、SI組立単位、SI接頭語 | |
電圧、電流、電力の測定 | 直流電圧、電流の測定 | 直流電圧や電流の測定方法を理解する。また内部抵抗や負荷の考え方と測定に与える影響について学ぶ。 | 電圧の測定、電位差法、電圧計の種類、指示計器、デジタル計器、電流の測定、電流計の種類と注意点、電流計の分流 |
電力の測定 | 直流電力の測定方法を理解する。また直接測定や間接測定を通して電力の計測方法の種類や測定原理を学ぶ。 | 電力の間接測定、電力の直接測定、単相交流電力の測定 | |
周波数、時間の測定 | 周波数の測定 | 周波数や時間に関する測定方法を学ぶ。また周波数や時間を測定する際の各種注意事項を理解する。 | 測定対象となる波形、オシロスコープによる周波数測定、周波数カウンタによる周波数測定、周波数カウンタの測定精度、入力信号の精度 |
抵抗、インピーダンスの測定 | 抵抗測定法 | 抵抗やインピーダンスの測定方法について学ぶ。また抵抗やインピーダンスを測定する具体的な装置について原理や使用方法を理解する。 | 抵抗の測定、電圧降下法、2端子測定法、4端子測定法、ホイートストンブリッジ法、デジタルマルチメータ、ケルビンダブルブリッジ、絶縁抵抗計、接地抵抗計、半導体の抵抗測定 |
波形の観測 | 波形観測概要 | 波形測定の代表的な計測器の種類や用途を理解する。各装置の使用方法の概要を学ぶ。 | 波形観測用の装置とは、波形を目で見ることの意義、波形観測例、波形の種類と装置の対応、アナログオシロスコープの動作原理と機能概要、プローブ概要 |
工学を学生時代に履修した技術者であれば本分野の内容は学生実験等で習得したはずの知識や技能です。が、回路の評価だけでなくトラブル発生時の調査にも重要なスキルであるので、再確認することが望ましい領域です。
材料・加工
3時間講習(参考※時間数について検討中)
目的 | スキル項目 | ||
鉄鋼材料 | 鉄鋼材料の基礎知識 | 鉄鋼材料の基礎知識を理解する。 | 鉄鋼材料の定義、特性、製造工程 |
熱処理の種類と目的 | 熱処理の必要性を理解する。 | 焼入れ方法 、焼き戻し方法、表面硬化、調質 | |
非鉄金属材料 | 銅及び銅合金 | 銅の性質及び種類を理解する。 | 材質記号、黄銅、青銅、その他の合金 |
アルミニウム及び | 製造方法及び用途特徴を理解する。 | アルミニウム合金の種類、表示方法。 | |
アルミニウム合金 | |||
樹脂材料 | プラスチックの定義と種類 | プラスチックの基本特性と種類を理解する。 | プラスチックとは、熱硬化性と熱可塑性、結晶性と非晶性(非結晶性)、汎用プラスチックとエンジニアリング・プラスチック、プラスチックの種別まとめ、プラスチックの添加剤、フィラー(補強材)、プラスチックの製造過程、参考資料-プラスチックの化学式 |
プラスチック材料の | プラスチックの性質を理解する。 | 物理的性質、機械的性質、熱的性質、寸法的性質、電気的性質、化学的性質、耐久性、 | |
一般的性質 | |||
ゴム材料 | ゴムとは | ゴムの語源及び特徴を理解する。 | ゴム語源、ゴムの歴史、ゴムの特徴、ゴムのヤング率、加硫とは、加硫/架橋の種類、 |
ゴムの原材料 | ゴムの分類を理解する。 | ゴム製品の原料構成、ゴムの分類、ゴムの種類と特徴 | |
ゴムの劣化 | ゴムの劣化の分類を理解する。 | ゴムの劣化 | |
ゴムの寿命予測手法 | ゴムの寿命予測計算を理解する。 | ゴムの寿命 | |
接着材料 | 接着の基礎 | 接着剤の長所と短所を理解する。 | 接着とは何か、接着のメカニズム、接着の特徴 |
各種接着剤概論 | 接着剤の種類と組成を理解する。 | 接着の種類 | |
接着剤の選定 | 接着剤の選定方法を理解する。 | 接着剤選定の手順、設計仕様からくる制限 | |
接着工程 | 表面処理の必要性を理解する。 | 接着作業工程、接着剤の表面処理 | |
形状加工 | ダイカスト加工の概要 | ダイカスト加工方法種類、工程、機械等を理解する。 | 鋳造工程、ダイカストマシン、金型の構造 |
プレス加工の概要 | プレス加工の基礎を理解する。 | プレス機の種類、金型 | |
表面処理加工 | 金属の腐食 | 腐食の原因を理解する。 | 湿食と乾食、金属の活性状態と不動態、短絡電池の構成による腐食、応力腐食、腐食に影響する環境側因子 |
めっき | めっきの目的と原理を理解する。 | めっきの目的、電気めっきの原理、無電解めっきの原理、めっき材料と特徴 | |
陽極酸化 | 陽極酸化とは | 陽極酸化の基礎を理解する。 | 皮膜構成 |
処理工程 | 陽極酸化の工程と皮膜の生成原理を理解する。 | 前処理、本処理、後処理 | |
皮膜の性質 | 酸化皮膜の皮膜特性を理解する。 | 硫酸浴品、しゅう酸浴品、硬度、耐摩耗性、クラック、面粗度、発色 | |
素材の影響 | 陽極酸化の素材による性質の違いを理解する。 | 合金元素、展伸材、鋳造材、自然発色法 | |
塗装 | 塗装と塗料 | 塗料の構成成分と役割を理解する。 | 塗料の分類方法 |
塗装の基礎工程 | 塗装工程を理解する。 | 洗浄、化成処理、塗装、セッティング、焼付乾燥 | |
塗装方法各論 | 塗装方法を理解する。 | 粉体塗装、電着塗装吹付塗装、ダクロ処理 | |
表面技術 | 洗浄 | 洗浄目的を理解する。 | 洗浄方法の分類、洗浄液の分類、 |
機械的結合 | リベッティング | リベットの分類を理解する。 | りべット継手の概要と種類 |
回路技術者のスキル領域としては、機構設計よりも優先度は低くなります。
しかし、協業する技術者(機構設計技術者)が何を、どのように気を付けながら設計するのか、を知ることは協業の質を上げるために重要なポイントとなります。
機構設計
3時間講習
目的 | スキル項目 | |
寸法の公差 | 公差の表し方を理解する。 | 誤差、公差、はめあい、幾何公差 |
荷重 | 荷重を理解する。 | 強度とストレス、安全率 |
応力とひずみ | 応力とひずみについて理解する。 | 応力、ひずみ、せん断応力とひずみ、安全率 |
力とモーメント | 力とモーメントについて理解する。 | 力とモーメントの基礎的な考え方 |
破壊の様式とその特徴 | 破壊の種類を理解する。 | 分類、疲労、延性、脆性、応力腐食割れ、遅れ、クリープ |
鋼鉄の疲れとその設計 | 鋼鉄における疲れとそれに対応した設計を理解する。 | 疲れ強さと試験、疲れ限界線図、影響を及ぼす因子、許容応力と安全率 |
機械力学の基礎 | 力と力のモーメントを理解する。 | 力の法則、運動方程式、速度、加速度、仕事とエネルギー |
運動方程式 | 運動方程式と速度と加速度の関係を理解する。 | ニュートンの運動の3法則、慣性、運動量、力積、運動量保存の法則、角運動量 |
振動 | 振動について理解する。 | 減衰しない1自由度系の単振動、静たわみ、固有円振動数、減衰のある1自由度系の単振動、減衰係数、臨界減衰係数、減衰比 |
基本 | 熱力学の基礎を理解する。 | 温度、熱量、比熱、熱容量、圧力、仕事 |
法則 | 基本公式を理解する。 | エネルギー保存則、熱力学の第一法則 |
気体 | 理想気体を理解する。 | 理想気体とは、理想気体の状態式 |
ねじ | ねじの基礎を理解する。 | ねじの基礎、ねじの種類 |
回路技術者にとっては制御対象の領域であり、また、回路の稼働環境でもあります。知識として重要な分野です。
提供方法について
1)講座の形態
現在、オンライン講座、リアル対面講座のともに提供可能です。
主に法人向けに提供しています。
オンラインで使うツールについては、お客様のご要望で検討が可能ですので、一度、ご相談ください。
2)eラーニングとしても提供が可能です。
どなたでもご利用が可能です。